Sweet Lover
私が一気にまくしたてたのを聞いた須藤は、ふと、その口許に悲しそうな笑みを浮かべて立ち上がった。

そうして、優しく私の頭を撫でる。

「そうだね。
 マーサちゃんの気持ちも考えず、突然押しかけてきて悪かった。
 しばらくはここに居るから、気が向いたら連絡して?」

そういって手書きのメモを添えた一枚の名刺を手渡してくれると、さっきまでのしつこさは何処へやら。
あっさりと、ウチから出て行った。
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