俺様社長と秘密の契約
「…頭、イタ」

目覚まし時計を何とか止め、若干入ってくる朝日を避け、

ゆっくりと目を開けた。

…一体何杯お酒を飲んだのか?…3杯目までは覚えてるけど。

…それに、こんなに頭が痛くなるまで飲んだのに、どうやって帰って来たのかな?


謎は深まるばかり。

・・・でも今は何も考えたくないほど頭が痛い。

私は重い体を起こし、ミネラルウオーターを飲むと、洗面所へ。

顔を洗うと、少しばかりスッキリした。

次に、コンタクトを着けようと鏡の近くに顔を近づけた私は、

ぼやけた鏡に映った自分の首が、やけに気になった。

急いでコンタクトを着けた私は、鮮明に映った自分の首筋に釘付けになった。


「・・・何、これ」

…どこからどう見ても、キスマーク、だよね。

付けられたことはないけど、友達のは見た事があったから、すぐにわかった。

・・・でもどこで?

痛い頭を何とか回転させるも、思い出せない。

酔っていたせいだ。

身支度を整え、ブラックのコーヒーを一気に飲み干した時だった。


『それはアンタと交わした契約だ』

その言葉が、頭の中で広がった。

・・・昨夜、誰かに言われた言葉だ。

・・・でも誰に?

分かるわけがない。
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