俺様社長と秘密の契約
頑なにそれをはめられまいと拒否していると。

「…そんな態度でいいんだ?」
笑顔で言う龍介。

私は思わず動きを止める。

「そうそう、バラされたくなかったら、いい子にしてる事だね」
そう言って微笑むと、龍介は、震える私の指に、婚約指輪をはめた。

「理子は、兄さんのモノじゃない。今日からオレのモノ」
「・・・ゃ!・・・」

抵抗するも、それはいとも簡単に押さえつけられ、龍介は、私の唇を奪った。

私は泣きながら抵抗する。・・・でも、そんな事は、龍介は何とも思わない。
…龍介に、心はない。


「・・・何やってる、お前ら?」
「「・・・」」

私は抱きしめられたまま、声の方を向いた。…そして、目を見開いた。
…一方、龍介は待ってましたと言わんばかりの顔で、微笑んで見せた。

「兄さん、何しに来たの?」
「…理子に会いに来た。・・・その汚い手を離せ」

龍吾は、怒りを露わにし、私たちに近寄る。


「…理子がとならなきゃ、いけない行動は?」
龍介が、私の耳元で囁いた。


龍吾が、龍介に手を振り解こうとする。

「龍吾さん、止めて」
「…理、子」

私の声に驚き、龍吾は、、その手を止めた。

そして、私の顔を見た。
私はゆっくり、龍介から離れ。


「…私・・・龍介さんと結婚します」
泣きながらそう呟いた。
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