How much?!
定例会の如く、会社近くの定食屋さんでのランチ中。
唐揚げ定食を速攻で流し込み、今はテーブルの上に雑誌を広げて、次の闘いに備え戦闘服を吟味中。
志帆ちゃんはのんびりとカツ丼を頬張りながら、私の手元の雑誌を眺めている。
「ねぇ、こんな感じはどうかなぁ?」
「ん~、ちょっと乙女チック過ぎません~?今までの統計からすると、麻生さんって可愛い系は好みじゃないと思うんですよね~」
「やっぱりそうなのかぁ?私もそれは思ったんだよねぇ」
ふんわりモコモコの服やレースやヒラヒラ系の服は好きじゃなさそうな気がしていた。
どちらかというと、スタイリッシュなカチッとキメるような洗練された服装が好みっぽい。
先日、ファー付のコートを着て行ったら、物凄い怪訝な顔つきだった。
だとすると……。
「じゃあ、こんな感じ?」
「あっ、うん、イイ感じ♪」
開いたページには、シンプルなタートルネックのセーターにベロア地の膝丈Aラインスカートを合わせてある。
3連のパールのネックレスをするくらいで、至ってシンプルなデザイン。
「コートは?コートもシンプルにすべき?」
「そうですねぇ。スカートがAラインだから、キレイめに細身のハーフコートが無難でしょうねぇ。で、ベルトでキュッと締めて、襟元を少し開ける感じで」
「………なるほど~。カッコイイ感じに仕上がるねぇ」
やっぱり、志帆ちゃんは頼りになる。
1人で考えてたら、堂々巡りになってたよ。