How much?!


*********


「おいっ、中里~。お前、ケツから尻尾が生えて来てんぞ!」

「えっ?」

「ギャハハハハッ、マジウケる~!色気もへったくれもねぇな、お前。恥ずかしいから何とかしろよ、それ!」


ミーティングルームのドア前で、何やら女子社員が男子社員にからかわれているようだ。

部屋の奥にいる俺にまで聞こえてくるほどの声の大きさ。

明らかにワザと大声で話しているように感じた。


その会話を聞いた俺は一瞬視線をドアの方へ向けたが、敢えて行動に移す事も無く、再びファイルへと視線を落とした、次の瞬間―――――。


「恥ずかしいのはアンタの方よッ!!同僚の女の子が困ってる姿を嘲笑するなんて、最低の男がする事だよ!モテる男はねぇ、自分が着てる上着をそっと腰に巻いてあげるものよっ!まぁ、アンタじゃ一生かかっても無理だろうけどね?!」

「ハッ、何だよッ!言いたいだけ言いやがって!」

「アンタみたいな男に気を遣う女の気が知れないねっ!目障りだから、とっとと失せな!仕事をサボってるって、部長にチクるよ?」

「なっ?!………チッ、クソっ!」


ドンッ!!


男はドアを一蹴りして去って行ったようだ。

すっかりドアの向こう側に気を取られていた俺は、再び手元に視線を落とすと。



――――カチャッ


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