年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
高校からの親友の瑞香は私に対して容赦なんてない。
ふてくされたようにグラスを傾け続ける私に、どんどん現実を突きつけてくる。


「そうよ、三十路よ。

今から別の男を見つけて、彼氏彼女に発展させて、結婚するまでどのくらいかかると思う? 

そりゃその後輩みたいにうまーく男を転がせるタイプの女だったら私もなにも心配しないけどね、あんたみたいな意固地でプライド高い女が結婚にたどり着こうと思ったら、どれだけ自分のプライド叩き折らなきゃいけないのかっていうのをね……」

「もういいよ、わかってるよ。祥裄逃したら致命的だってことくらい」

「じゃあ逃さないように努力しなさいよ」

私だって自分なりに努力してきたつもりなのだ。
祥裄が好きそうなテイストの服を選んでみたり、苦手な料理だって勉強して、ちょっとでも結婚後の生活を意識してもらえるように家庭的に振舞ってみたり……。

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