無理矢理繋いだ赤い糸



身を乗り出して楽しそうな横顔。
ギリッと奥歯を噛み締めて、真っ直ぐにその相手を睨んだ。



先に気付いたのは、女の友達。
俺は少し首を傾げながら自分の唇に指を立てて、彼女達が声を発するのを阻止した。


その状況でも気付かずに、なんだか楽しそうに笑い合ってる奥の二人。
さっきは向かい合っていたはずなのに、盛り上がってるせいか段々二人の距離が近付いているのに本気で腹が立ってきた。




杉原が名刺みたいなのを渡したのか、それを一緒に覗き込んでいる。
その時、杉原の手が沙希の頭を驚くほどに自然に撫でたのだ。




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