食人姫
儀式
「クソが!!あいつら、いつかぶっ殺してやる!」


何とか皆で、怒る哲也を連れて、家に戻った俺達。


今日は賛成派も反対派もない。


神輿は神社に入って、何の策もなしに動く事が出来ないから。


「それにしても……昨日はびっくりしたよ。寝てたら急に哲也のお父さんに起こされて、直人達と一緒の部屋で監視されたんだもん」


「哲也と大輔のおかげで、僕達まで反対派扱いさ」


そうか、俺達の行動で、グループ全員が怪しまれたのか。


「まあ、うちには来てないよ。夏美の所にも来てないんでしょ?」


「え?うん……」


未来と夏美はここにいなかったからな。


そして……勝浩は死んでしまって、ここにはいない。


「それで、二人はどこにいたの?哲也のお父さんは何も言ってくれなかったし、心配してたんだよ?」


「俺達は……麻里絵の家に行ったんだけどさ、哲也の爺ちゃんに見付かって、田んぼの中にある小屋に入れられてたんだよ」


殺されそうになった……と言った方が良いのかな。


変に心配させたくないという思いはあるけど、その危険があるのなら、知らせておいた方が良いようにも思える。


爺ちゃんと言っただけで、哲也が爆発してしまいそうだし。
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