初恋も二度目なら
「卜部ちゃん。ちょっとメガネ外して」
「え?なんで」
「いやぁ。どんだけ度が強いのか、試しにかけてみたいと思ってさ」
「あぁ・・・」

私はメガネを外すと、川端くんに「はい」と言って渡した。

「うわ。こりゃ思ったとおり・・頭に響くくらいすっげーつえー。もうずっとこれ?」
「うん。だから慣れた・・・きゃっ!」

ただ太ももあたりが冷たいような、濡れてると感じただけで、私は何が起こったのか、すぐには分からなかった。

「悪い。手が滑った。卜部、タオルもらいに行くぞ。立て」
「え?あの、部長!?」

部長はいつの間に、私たちのすぐそばに来ていたのか。
それすら気づかなかったというのに、「立て」と言った部長は、私の手を取って立たせると、引っ張るようにそこから私を連れ出した。

その前に川端くんからメガネを奪い取って、素早く私にかけるのを忘れずに。

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