本気の恋をしようじゃないか《加筆修正版》
「ここのレバーをこーやってやるとシャワーがでるからね。温度は・・・ここで調節してね。
もしお風呂の温度が低かったらここ。…ここで調節してね」
小牧君は親切に教えてくれるのだけれど緊張で頷くので精一杯。
「大丈夫?なんか心ここにあらずみたいだけど」
ぎゃ!ばれてる?
「そ、そんなことないよ」
慌てて否定するも、小牧君にシャワーはどうやったら出るか言ってみなと言われ何も答えられなかった。
小牧君はそんな私にもう一度説明してくれた。

「はぁ~~」
大きな溜息は緊張からくるものだった。
服を脱ぎながら服をたたみバッグにしまう。下着だけになった上半身が洗面所の大きな鏡に映る。

きっとこんなしまりのない身体みたら小牧君幻滅するだろうな。
ブラを外し再び鏡を見る。
「男の人ってやっぱり大きい方がいいんだよね」
また溜息が出た。
お風呂に入るとまず身体を洗った。
気がつけばめちゃめちゃ身体を洗っていて体中が泡だらけ・・・
ドキドキしているくせに、こんなに身体洗うなんて心のどこかでそうなる事を期待してるみたいで矛盾してる?
髪の毛も思いっきり洗った。
最後に湯船につかるとずるずると身体を沈める。

みんな初めてはどんな気持ちなのかな?
っていうか小牧君は・・・どうなの?
あんなに大人なキスを一体どこでおぼえたのだろう。
でもあれだけかっこ良かったら今まで何もなかったってことはないでしょ?
小牧くんの過去、知りたいけど知りたくない。
あぁこのままだと嫌なことばかり想像しちゃう。
私は勢いよく立ち上がると風呂から出た。
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