不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「風見さんって……シベリアンハスキーに似てますね」

「……は? お前はついに頭がイカれたか」

 体を屈ませながらこっそりと風見さんにそう告げると、途端に不機嫌そうに口元を歪め、私の額を指で軽くつついてきた。

「……痛いですよ」

「うるさい。だいたい、俺がシベリアンハスキーならお前はシマリスだろうが」

「え? シマリス?」

「その頬袋に、どれだけ食いものが詰まってるんだ?」

「なっ、なにも詰まってませんよ! ナチュラルです!」

「はは。そうか。普段からそんな顔だったな」

 失礼しちゃう!!
 私の頬、シマリスほど膨らんでなんてないのに!
 いくらなんでも、恋人に対してその発言は酷いと思う。

 あとで休憩時間に、スマホの風見さんの番号登録を、シベリアンハスキーの写真にしておこう。

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