不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「だらしない顔してるわよ?」

「うるさい。だいたいな、今夜はアイツと飯を食う約束をしてたんだよ! それをお前が、俺を絶対に連れて来いなんて田中に無理やり頼み込むから……」

「あら、デートだったの。それは悪かったわね~」

 からかうようにクスクスと笑う栞に、俺は諦めの溜め息を吐き出しながら眉根を寄せた。

 やっぱり……接待が終わったら、アイツのアパートに行こう。
 顔を見て話すだけでいい。

 今、栞に言ったことを、アイツに直接言いたい。

 心の中で思ってるだけじゃ、永遠に伝わらないじゃないか。


< 244 / 299 >

この作品をシェア

pagetop