不機嫌な彼のカミナリ注意報2
「お前がこの先、笹岡と付き合いを続けようが別れようが好きにすればいい」

 俺は大きく息を吸い込み、目に力を込めて真顔で清瀬を見下ろした。

「今日のことは笹岡には黙っといてやる」

「………」

「だから今後、俺と緒川は巻き込むな。アイツを傷つけるようなマネをしたら俺は黙ってないからな」

 俺のそんな捨て台詞を聞いて下唇をキュッと噛んだ清瀬に今度こそ背を向け、俺は足早にマンションのエレベーターに乗り込んだ。

 今日は厄日だ。イライラした気持ちが落ち着かないまま、家路に着く。

 お人よしなアイツのことだ。下手に何か首を突っ込んでいなければいいが。


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