空と君との間には
「結城さんは悪くないのに、結城さんのやり方にはついていけないなんて、言えません」


「紗世ちゃん ……」


「それに、わたし …… 結城さんが1人辛い思いや苦しい思いをしてるの、放っておけません」


紗世の目から涙が溢れ幾つも、頬を伝う。


「ただ見てるだけも、守られてるだけも嫌です。結城さんが、そんなふうに頑張ってたなんて……知らなかったことが悔しい。どうして、話してくれなかったのかが、情けない」


「紗世ちゃん!?」


「わたし、結城さんの重荷にはなりませんから」

紗世は泣きながら、相田に笑顔を作って見せる。


「わたし、結城さんが危ない目にあったら結城さんを絶対守りますから」
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