俺様副社長に捕まりました。
   「・・・・元木くんが園村常務の娘さんと婚約したって秘書課ですごい話題になってて」
   「うそ・・・だって私・・・彼と別れてないもん・・・それに・・1週間前にデートをしたけど彼何も・・・
園村常務の娘さんて・・・なんなのそれ 冗談・・・きついよ。ねぇ…嘘だよね。こんな・・・」
  でも未来は唇を噛みながら悔しそうに首を横に振った。
  それが嘘じゃないと言っているようで頭の中が真っ白になった。
唇が小刻みに震え出し目の周りがカッと熱くなって今にも涙が出そうになるのを
抑えるため唇を強く噛んだ。

 今泣いたら仕事に支障が出る。
 今は絶対に泣いちゃダメだ。
 
お腹の底からは~~~っと大きく息を吐き、顔を2回自分の両手で叩くた。
「未来、戻ろう。もうすぐ専務が出社する時間だから」
「でも・・・桃」
「大丈夫だから!」

泣くのはまだ早い。本人から直接聞いたわけじゃない。
泣くのその後だっていいんだから。
裕人と付き合っていることは未来以外誰も知らない。
知られてないことが良かったのか正直今はわからない。
ただ言えることはどんな状況でも普通の顔をしてなきゃいけないってこと。
涙なんか見せられない。
会社の上層部の人達がスムーズに仕事ができるようにサポートするのが私の仕事なんだから
それに誰も私が裕人と付き合ってたなんて知らないだから・・・
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