君と僕等を、繋ぐ線。
新線。


















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「畑田ー、異動が決まったぞー。 希望してた芸能部ー。 しかも、音楽部門だぞ!!」








『喜べ!!』とばかりに、1年センパイの里中さんがワタシの肩を『ポン』と叩いた。








「・・・・・・・・・・・・・イヤ、希望してたのって3年前の話でしょうよ。 ・・・・・・・・・・・超今更ッス」








3年前、ワタシはこの上川出版に入社した。








本当は教師を目指して教育実習まで行っていたというのに、大学4年の時に桜沢悠斗の音楽に出会ってしまった事をきっかけに、桜沢悠斗に会いたい一心で音楽業界への就職に路線変更。 超ミーハー。








4年で進路変更をしてしまった為、当然周りよりも就活に出遅れた。








更に、音楽の知識もない。








無謀なワタシは、桜沢悠斗が所属しているレコード会社、事務所、それと桜沢悠斗が来るだろうラジオ局、音楽雑誌の編集部等々、片っ端から応募して、悉く落とされた。








親に何度『オマエは何をしに大学に行ったんだ』とブチ切れられたか分からない。








そんなワタシに唯一社、上川出版だけが採用通知をくれた。
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