君と僕等を、繋ぐ線。











「・・・・・・・・・・・・・・・これ、本物っぽいね」







北村さんが、真剣な顔でパソコン画面を覗いた。







「・・・・・・・・・・・・・・ですよね。 だから、桜沢悠斗に知らせて下さい。 彼、この存在を知らないんだと思います。 だから歌わないんだと思います」








『よろしくお願いします』北村さんに頭を下げると







「・・・・・・・・・・・・・やっぱり一緒に行こうか、畑田さん。 これは畑田さんが寝ないで見つけたものでしょ?? 畑田さんが伝えた方が、桜沢悠斗ファンの畑田さんの方が、桜沢悠斗の心に刺さるんじゃないかな」








北村さんが、下がったままのワタシの頭を『ポンポン』と撫でた。







「・・・・・・・・・・・・・ワタシが行ったら、拒否反応で聞き入れてももらえないかもしれない」







「これを見る限り、桜沢悠斗と秋は確実に恋人同士だったと思う。 恋人に関する事だよ。 どんなに嫌いな相手からの情報だったとしても、聞きたいと思うでしょ。 普通」







『万が一何かあったら、頭下げて丸く収めるから。 北村センパイに任せなさい』とそよ風程度の先輩風を吹かせると、北村さんは目覚ましのコーヒーを買うべく、自販機コーナーに行ってしまった。







ワタシは上手くこの事を桜沢悠斗に伝え事が出来るだろうか。







勝手に首を突っ込むワタシを、桜沢悠斗は拒絶したりしないだろうか。













・・・・・・・・・・・・・それでもいいや。 それでも彼に伝えたい。
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