最後の恋にしたいから
約束は10時といっても、目が覚めたのは6時。

緊張から寝付けれなく、陽の光を感じて起きたのだった。

服はどんな感じにしようか?

髪型はどうするか?

そんなことを考えていたら、約束の時間まで余裕がなくなっていた。

「急がなきゃ」

あんなに早起きしたのに、意味ないじゃない。

慌てて薄いピンク色のカットソーと、白いフレアのスカートに着替える。

気合いを入れていると思われるのも恥ずかしいけど、手を抜くわけにもいかない。

我ながら、『女子』を出しすぎている気もするけど、デートらしい可愛いスタイルを選んでみた。

「髪は結ばなくてもいいか」

フラットシューズを履き、急いで部屋を出る。

迎えに来てもらう限り、課長を待たせるわけにはいかない。

時間より少し早めに、マンションの外で待つことにしたのだった。
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