悪い男〜嘘つきより愛を込めて〜
「だから…拒否は受けつけない」


強引な零に苦笑する。


「…そんなに一緒にいたい⁈私がいない

と寂しみの⁇」


「…はぁっ……お、おれが寂しいだと⁈

ただ、お前の為に言ったんだ」


突然、俺様な零が動揺する。


(クスッ)


「私のため⁈」


「あぁ…ここに住めば俺がいる。お前に

毎日目覚めのキスをして何回だって愛し

てるって言ってやる…お前を不安にさせ

ないためにだ」


ふーん…そう言う切り返しできたのね。


そんな甘いセリフも悪くない。


けど…素直に一緒に住んでくれって言わ

ないなら…


「うそつき…私がいないとあなたが不安

なんでしょう」


「うっ…」


言葉が詰まる零…図星ね。


「あなたが愛してるから一緒に住んでく

れって言ってくれるなら住んであげる」


零は…なんて答えるかしら?


沈黙の中、零は私から体を離し向き合う


「……お前だけを愛してる。ここで俺と

子供たちと一緒に歳をとっていこう」


素直にお願いできないくせに愛の言葉は

……甘く囁く


そんな男を愛した……

あなたが愛を込めて囁いてくれたから…

私は、あなたと

ここで一緒に歳をとっていく。


END


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