君がいるだけで
歓迎会の後、ゆみちゃんと最寄りの駅が隣ということがわかって

帰りは同じ電車で帰った。


「送ろうか?」

「いえ!駅からすぐ近くのアパートなので大丈夫です!」


『そうだよな!いくら同じ会社の人間だって、今日会ったばかりの
人間に送られたって迷惑だよな!』と送って行きたい気持ちを
抑えるためにいろいろ理由を考える。


「快速が止まる駅っていいですよね!?ホントは私もその方がいい
んですけど、家賃が高くて・・・私が探したときいい物件なかったし」

「俺んとこのアパートは駅から遠いんだ。だからそんな高くはないよ。
でも駅から近い方が夜とか心配ないしいいよね」

「私のアパートすごく古いんですけど、駅から近くて便利だし間取りも
気に入ってるんです。お風呂もトイレも別で昔の造りだからか?結構
広いし」


と、とりとめのない会話をして・・・その日は素直に別れた。


それからゆみちゃんのことが気になって仕方がない。


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