喫茶の謎解き意地悪紳士2


「結構ですよ。あなたも任意だから、もう帰れます。いいでしょ?阿部さん。」

「あ?ああ。もう帰れるよ。悪かったな」

初めて葵が嬉しそうに顔を輝かせた。

長時間の緊張状態が続いたのだ。

葵もきっと疲れているはず。

詩音は今すぐにでも葵のもとに行きたかった。

「あのっ……、取り調べを見せてくれてありがとうございました!」

綾華に頭を下げて、部屋を出ようとするとポツリと綾華が呟いた。


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