らぶ・すいっち



「見てください。私は貴方目当ての女の子たちとは違うので、ご心配なく!!」

 私が選んだのは英子先生の教室だ。ベテランのおばあちゃん先生に教えてもらった方が、優しく丁寧に根気よく教えてくれるだろうと考えてのことだ。

 ツンとそっぽを向き、受付の人に書類を手渡すとその場を後にしたのだが……。
 まさか彼のクラスになるとは思わず、料理教室初日は愕然としてしまった。

 一番受講したくなかったクラスに組み込まれるだなんて。
 慌てて受付に聞きに行ったのだが、私が希望していたクラスにはどうしても組み込めなかったという返事が。それならもう仕方がないと腹をくくったのだが……。

(やっぱりクラス変更をお願いしちゃおうかな……)

 私以外には優しい笑みを浮かべる順平先生に、あっかんべぇと舌を出してそっぽを向いた。





 
 
 
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