私は蝶。

樹はよくあたしの頭にポンッと手を置いて
「ちびだなーっ」
って笑う。
「うるさい!樹がでかいだけでしょ!」

自他認めるばかっぷるだった。


そんな樹と初体験をしたのは、あたしが高1の夏。

「…ひっ」
「痛い?大丈夫?」
「うぅ…」
「やめようか?」
「ううん。やめないで。」
「力、抜いて。」

すごくすごく痛かった。初めて他人に裸見られて触られてド緊張していてさほど気持ちよくなかったし、挿入った時は、これがセックス…?ってなった。

初体験の翌日、下腹部とあそこが痛む。
その痛みが昨日の甘い時間を思い出させてくれる。なんて、よくあるクサい言葉だけどそのまんまだなって思った。
今でも思うが、初体験をあいつに捧げてよかったと思う。

そこからあたしたちは、狂ったようにセックスをするようになった。

< 5 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop