身長差43センチのふたり。



『…の、ひなの!雛乃っ!』

「ふぇっ!?」


廊下をぼーっと見つめていた私の肩を揺さぶりながら、懸命に私の名前を呼んでいたのは、私の友人である華ちゃん。

我に返った私が隣の席で一緒に衣装づくりをしていた華ちゃんに目を向けると、華ちゃんの心配そうな瞳とぶつかった。


『ボーっとして、どうかした?気分でも悪い?』

「あっ、ううん!大丈夫だよ!」

『そう?』


ならいいけど、と言って、華ちゃんは衣装づくりを再開した。

そんな真面目な華ちゃんに見習って、私も作業する手を動かし始める。


『衣装づくりも大変だよねー。』

「うん。一番ラクかもって思ってたけど、集中力いるよね。」

『そーそー。』


我がクラスの文化祭の出し物は、創作劇だ。

内容はあまり分からないけど、今はクラス皆で劇のセット作りや衣装づくりに没頭しているところ。

…といっても、皆喋りながらやってるから、雰囲気はゆるゆるだけどね。



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