イジワルな旦那様とかりそめ新婚生活
口の中に広がる甘い桃の味。

私はこの味を知ってるし、覚えている。

何で?何で刹那さんがこの飴を持ってるの?

そう言えば……結婚式で誓いのキスをした時……同じ桃の香りがした。

久世さんは市販されていない飴って言ってたのに……。

これはただの偶然?それとも……。

「雪乃の事は悪かったな。あれは、小さい頃から身体が弱くて甘やかされて育ったから我が儘なんだ。……気にするな」

刹那さんが謝るが、飴の事が気になって私はただ頷く事しか出来なかった。
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