蟲狩り少女
丁度良かった。


三岳友輝は話かけにくいけれど、清野光磨に手伝ってもらおう。


そう思って口を開きかけた、その時だった。


「お前今日プリント忘れて来たんだってな」


「持って帰るもの忘れたんだろ」


そんな声が聞こえて来て、あたしはハッと振り向いた。


室全的にあたしを取り囲んでいたクラスメイトたちも視線を向ける。


そこにいたのは……2体の蟲……だった。


人間の格好をした蟲が脇マサヤにヤジを飛ばしている。


「またやってるね、藤原君と小林君」


「え……?」


クラスメイトがボソッと言った一言を、あたしは聞きかえす。
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