蟲狩り少女
「あの時、どうして……」


言いかけたあたしの言葉を遮るように、教室のドアが開いた。


担任の北野先生が沢山の課題を両手に抱えて入ってくる。


それを見たクラスメイトたちから一斉にブーイングが起きた。


「なに? 里音」


「……ううん。なんでもない」


あたしは沢山の課題に視線を奪われてしまい、光磨の声に左右に首を振ったのだった。
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