ひねくれ作家様の偏愛
たぶん、彼の魂胆はこうだ。


桜庭千弥、精一杯のおしゃれ。

空前絶後、大外しのダサさ。

海東智、爆笑。この先一生のネタに。


ああ~、想像できる。
容易に想像できる。

どうしよう。
30代働く女子向けファッション誌なんぞを買ってみたけど、私のワードローブで再現できそうなスタイルがない。

別にいいじゃん。
もういっそ反抗的にジーンズで行けばいいじゃん。
いつもはいてる伊勢丹カラーのチェックのスリッポンでさ。

でも、4つも年上なのに、ムキになって反抗するのも恥ずかしい。
そして、彼がいつもする「女としてまるでナシ」という態度に、かすかに傷ついているのも事実。

スマートな大人として、どう対応すべきか。
もう、笑われてもいいから女友達と出かけるような格好をして行こう。
ダサイとか言われて、多少ぐさっときても、いつもどおりニコニコやり過ごしてりゃいいや。
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