鏡怪潜〜キョウカイセン〜
朝なら大丈夫。


そう思って一度家に帰った私は、歯磨きと着替えを済ませて学校に向かった。


昨日もそうだったけど、私の予想通りナニかは現れなくて、怯える事なく準備を済ます事が出来た。


いつもなら登校中の生徒が多い、この通学路。


臨時休校という事で、ほとんど人通りはない。


とはいえ、完全に0というわけではないのだけど。


一人で学校に向かう間、色んな事を考える。


昨日は影宮さんと一緒に、鏡から隠れながら登校したけど、その必要がないとわかると気が楽だ。


鏡の中のナニか……私にはわからない事ばかりで、恐怖する事しか出来ない幽霊。


鏡を見ないようにするしか方法がないナニかを、影宮さんはどうにかしようとしている。


その為の調べ物だろうけど、何か手掛かりは掴めたのかな?


真弥ちゃんはもう学校に行っただろうけど、他の皆は来るかな。


特に京介だよ。


ナニかを見たわけでもないし、休みになったなら、喜んで休みそうな気がするけど。


「なーにブツブツ言いながら歩いてんだよ。ちょっと気持ち悪いぞ」


そんな事を考えていたら、ポンッと頭を軽く叩いて、京介が現れた。
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