ずっと隣で・・・
それはまだ私の事を好きでいてくれてるってことだよね
その気持ちは凄くうれしい・・・そう思ったけど
英斗と別れたばかりだし・・・それに弦とは
住んでいる場所が遠すぎる。

「気持ちは嬉しいけど・・・無理よ。
私、彼と別れたばかりよ。すぐ次になんて・・・
それに私たちがなぜ別れたかわかってるよね…遠距離は無理なんだって
こうやって友達として…こっちに帰ってきた時に会うのがいいのよ」

好きだけど・・・同じ失敗を繰り返したくない。

それが弦であっても・・

「千鶴・・・」

気がつけばジーンズにポタポタと滴が落ちる。

自分から弦の気持ちを拒絶したのになんでこんなに涙が出るのだろう。

私の涙に気がついた弦が立ち上がり
私の隣に座った。
肩を抱き寄せられ私はその肩にもたれかかった。

なんでこんなに近いのに弦は遠いの?
「・・・・ずるいよ・・・」
「千鶴・・・・・」
「なんでそんなに優しくするの?・・・友達だって言ったじゃない」
「俺は友達だなんて思ってない」
「弦・・・」
弦に、より強く抱き寄せられ、私は弦の胸に手を当て見上げるた。
弦は真剣な眼差しで私をみつめるとそっと手を頬にあてた。
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