アイスクリームの美味しい食し方
頭が真っ白になっています。

柔らかく甘い香りとともに
脳の芯がしびれるような感触が
唇を覆っている。

暖かくて、しっとりしてて、
水風船みたいに弾力がある。

角度を数回変え、
果物を頬張るように、
彼は、私の唇を長い間占領した。

ゆっくりと唇は離れ、
赤い舌がそれを舐めた。

「甘いの嫌いなくせに
甘いですね。
止まらなくなりそうだ。」

がくん。
膝が落ちた瞬間、
彼が私を支えた。





「で、他に質問は?」
唇はなおも問う。







「あ、ありません。」






お母さん、私、
よく知らない男に
キスをされてしまいました。


そのあと、
私は意識を失ってしまった。


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