アイスクリームの美味しい食し方
「チカ。君は俺を狂わす天才ですね。」
私は、佐々 新の言うことの半分も
理解出来ない。

ただ、輝かしく甘い笑顔の奥に
何か冷えた暗いものが見えるのだ。

何故だか分からない。
ただ、影のようにぴったり張り付いている。

みんなには見えないようだ。


だけど私には分かる。


甘いものは、
辛いことや寂しい時間を
紛らわすものでしかないことを。


人生はそんなに甘いものじゃない。




甘くて
暖かくて
幸せなものなんて、


壊れるためにしか存在しないのだ。




こいつの笑顔は、
私にそう訴えているんだ。




なんて冷たい男なんだろう。

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