【完】一粒の雫がこぼれおちて。





和泉くんが優しい……?


思わず、友達の言葉に笑ってしまいそうになる。



だって、こんなにも私は和泉くんに近付きたくて、毎日頑張って話し掛けているというのに。


和泉くんはそんな私に見向きもしない。


さすが“アイス系男子”と言うべきか。

そう呼ばれるのにも納得がいってしまう。



冷たい和泉くんは冷たいまま、私に優しくしてくれたのは、過去に一度だけ。


それさえもきっと、和泉くんは覚えてないのだろうけど……。



「付き合ってないよ、和泉くんとは。」


「じゃあ……しずくちゃんの片想い?」


「ううん、違うよ。だって私――。」



和泉くんへの想いは、恋愛の好きではないけれど。


和泉くんの彼女になれる子は、少し羨ましいなと思った。





< 13 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop