わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜

「明美お待たせ！
早くいこっ！」

「んー、忘れ物ない？」

「大丈夫！多分！」


漫画を棚に戻しながら問い掛けた言葉に、なんとも不安な言葉が返ってきた。


まあいいやと思いつつ真理の家を出る。


真理がしっかりと家の鍵を掛けるのを見届けてから、私たちは学校に向かった。


さっきと同じ、晴れた空。


私がここにいることは当たり前なはずなのに何故か実感が沸かない。


それほどまでに、今日の夢は強烈だった。


もう二度とあんなものは見たくない。絶対に。


「ねえ真理」

「んー？何、明美？」

「………真理はここにいるよね？」

「はっ？？ごめん、私がバカだからなのかはわかんないけど、意味不明…」

「………………。
自分でも何いってるのかわかんなくなってきたわ。
あー馬鹿馬鹿し。
今日も佐久間いじめるぞー！」

「いえーい！！
それでこそ明美！」


しんみりした空気を断ち切って、話題を変える。


佐久間が死んでないなら好都合。


いじめる相手がいるのだから…退屈しない。