課長の独占欲が強すぎです。

 愛用のフカフカ枕に真っ赤になった顔を突っ伏して、足をジタバタともがいた。恥ずかしくて恥ずかしくて頭がおかしくなりそう!!

 絶対絶対みんな呆れてる! 特に宍尾さん! 大迷惑掛けちゃったうえ、うっすらとではあるがアレコレと失礼な発言をかました記憶が……うわあああ! 昨夜の自分を消し去りたい!

 羞恥と反省でベッドの上でゴロゴロとのたうち回っていると、更に昨夜の出来事が思い起こされた。

 ……私、宍尾さんに負ぶってもらった後、どうやって帰ってきたんだっけ?



「やあねえ、小夏ったら覚えてないの? 課長って人がタクシーで家まで送ってくれたのよお」

 1階のリビングで愛兎のミロちゃんにブラシを掛けながら、お母さんは昨夜の顛末をそう語った。衝撃の事実に二日酔いで痛む頭が気まで失いそうになる。

 おぶってくれただけじゃなく家まで送ってくれたなんて……いっそ、その辺に打ち捨てられてた方がマシだったんじゃないかとさえ思えてきた。

 絶望で呆ける私に構わず、お母さんは楽しそうにブラッシングを続けながら呑気に喋り続ける。

< 40 / 263 >

この作品をシェア

pagetop