月だけが見ていた
「何だよ、その抗議の視線は」

「…いえ。コーヒーですね」

「あ、」


カップを私に手渡しながら、主任は意味ありげにニヤリと笑った。


「砂糖とミルクたっぷりでよろしく。」


「……はいはい。」


見かけによらず甘党なんだから。
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