【短編】森田当麻の奇妙な休日
優衣がやっと当麻に追い付くと、当麻は優衣の頭からハットを取り上げた。
「……ったく、こんなくだらないことして何が面白いんだ」
「くだらなくありませんよ。ていうか、気づいてたんですか?私の尾行」
「当たり前だろ。お前が変な格好で探偵社の前に張り込んでいたところから、バレバレだ。」
……つまり、最初からバレていたということ。
今までの優衣の努力は泡となって消えた。
「気づいてたなんて……。じゃあ、なんで声かけてくれなかったんです?」
「めんどくさかったから」
答えになってない。
優衣は虫眼鏡をポケットになおすと、ため息を吐いた。