最高の恋の見つけ方
期末テストが終わって、そろそろクリスマスがやってくる。


受験生の私にはあまり関係ないけれど、それでも、いつもと違う町の明かりや、クリスマスツリー、一年にこの時期だけかかるクリスマスソングは、無視しようとしても、気が付かないわけにはいかない。



私のお父さんとお母さんは、私が葵くんと別れたことで、ずいぶん落ち込んでいた。彼らは私たちがこのままずっと一緒にいると信じてたのだ。

なにしろ、私が3歳のころに新築した住宅地に、同じ頃に越してきたお隣さんだ。葵くんは私の両親にとっても子供みたいなものだった。お互いの家族で面倒を見合ってもらって、育ってきたから、私だって、葵くんのご両親には申し訳ない気持ちがある。



空っぽの私の頭には、勉強だけが、救いだった。


勉強だけは、裏切らないからがんばれって、いつだったか、純が私に言ってくれた言葉が、支えになった。


勉強してるときだけは、まともな思考ができたし、すこしずつあがっていく偏差値とともに、私自身も、実力があがっていくのを実感できた。


それはまるでゲームのようで、攻略するたびに、なんとも言えない充実感がある。










< 36 / 147 >

この作品をシェア

pagetop