Cry for the moon
「何も言ってません!!」

リュウトの返事を聞くとルリカは、さっきとは打って変わって優しく微笑んだ。

「そう?気のせいかな?じゃあ、ハルのお迎えよろしくね。」

「わかったよ…。」

リュウトは渋々ほうきを置いて、腰からエプロンを外した。

「帰りに牛乳買ってきて。」

「ハイハイ…。」

「返事は1回。」

「ハイ…。」

(目が笑ってねぇよ…。)

微笑みながらも眼光の鋭いルリカに逆らう事もできず、リュウトはそそくさと店の外に出た。


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