私の思い~きっかけとタイミング~
「あれ?」

するとそこには柱にもたれかかって眠っている一人の女性。

年齢的には、俺と同じくらいだろうか。

「この人…。」

俺の記憶に間違いなければ、彼女とは何度か顔を合わせた事があるはずだ。

ただ自信はない。

それと同じように、彼女が俺を見ても分かってもらえるかは分からない。

目の前ですやすやと眠る彼女の顔を見て、俺は知らず知らずに笑顔になっていた。

いつも見かける時と違う表情。

「こんな柔らかい顔をするんだ。」

このまましばらく眺めていたい。

何故か自然にそう思った。

そして彼女の前にかがんで、じっと彼女の顔を見つめた。

何か良いな…。

そして彼女が持っているクリアファイルを取った。
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