彼と私の秘密の恋
それから数日たって、いよいよ明日は誕生日だ。


「結局連絡なかったし…」


幸多は何してるんだろー。ひょっとして、誕生日忘れちゃった?

それとも

私はいらないの?自然消滅??


良くない事を考えながら自転車をひき、家の庭へと止める。


「琴音!あんたに手紙だよ!机の上に置いておいたから!行ってくるね!」


お母さんがそう言って車で出て行く。
お母さんは看護士で、私はお母さんとの二人家族。
お父さんは、小さい時に亡くなった。


「いってらっしゃい!気をつけてね!」


お母さんを見送り、家の中へと入ると早速手紙を見る。


「差出人はと…成瀬 幸多!?」


そこには、愛しい彼の名前。


私は慌てて中をあける。
そこには、昔から変わらない幸多の女の子みたいな可愛い丸文字が綴られていた。



『ハッピーバースデー!琴音!!
お母さんには話してある!今すぐ準備して空港へ迎え!!

現地で待ち合わせしよう。   幸多』



そうかかれた手紙と一緒にエアチケットが入っていた。


「幸多!」


私は手紙を握りしめて泣いてしまう。
もう諦めていた。今年は幸多に会えないって。


「…用意しなきゃ。幸多が待ってる。」



私は立ち上がると急いで荷造りをして、タクシーにのり、空港へと向かった。


あとちょっと。
もうすぐ。 


幸多に会える。


飛行機から見た、星空はきっと一生忘れないよ。


幸多。


あの時、私を連れていってくれて本当にありがと。


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