アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】

店長が、
実の父に連絡をし、
チカを受け入れる体制を整えた。

少し遅れたが、
俺は学校に行き、
放課後、チカを
トロワに連れてきた。

我慢できずに
キスしてしまい、
チカを失神させてしまった。

だって、悔しかったから。

俺のことも忘れてるし、
前みたいに甘えてくれないし。

俺は、どうやら、
好きな子を
どっろどろに甘やかしたいのに
いじめてしまうタイプのようだった。

俺は、チカを自分のベッドに寝かせ、
また黒焦げになったアパートに向かった。

子どもの俺にできることは、
それだけだったからだ。

お母さんとの思い出を
ひとつでも探し出してやりたい。


俺が、あのアルバムを見つけたとき、
俺がどんな気持ちでいたか、
チカ、お前には、分からないだろう？

お前の幼い写真を見て、
俺はその本を胸に抱いたんだ。

そりゃあ、
王子様にでもなった気分だよ。

俺がどれだけ、
君のことを好きだったか、
俺は一生かけて
お前に伝えようと誓ったんだ。