アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】
あれから、
チカと同居したり、解消したり
いろいろあったが、
※詳しくは
「アイスクリームの美味しい食し方」
を参照

2人は今日も仲良く
暮らすことができている。

俺たちは、
この春からまた受験生だ。

2人で力を合わせ、
トロワで働きながら、
大学に行こうと誓っていた。

通う大学によって
違いはあるが、
規則に違反、もしくは、
学業の妨げにならなければ、
入籍をしようと考えている。

これは、2人でよく考えて決めたのだが、
チカは今、親戚の養女になっている。
もちろん、親戚である叔父さんたちとは、
実の親同然の付き合いをしているが、
2人で独立してやっていけるのなら、
今の不自然な状態を解消したい。

プロポーズも半月前にし、
港の親戚の叔父さん家族にも
娘さんをください挨拶しに
店長と伺ったところだ。

2人の薬指には、
揃いの指輪がはめられている。



しなければならないことが多すぎて、
赤い頭のことなんて、
俺の頭からも
消えてしまっていた。

ただ、
毎日が愛しくて
可愛くてたまらなくて、
見過ごせなかったんだ。


「なんだ。
チカは一緒にお風呂に
入りたかったんだね。」

俺は、再び、
チカに張り付いた。

「ち、ちが…!
こら!やめてっ!」

チカが暴れるながら逃げ、
廊下に2人して飛び出した。
玄関から逃げようとしてるな。
だけど、もう遅い。

「いいよ。一緒に入ろう。

ここで、汗かいてからね。」

俺は、
玄関を目の前にして
悶えるチカを薄目で見た。

あっという間に
組み敷いて、
チカに深い口づけを落とした。

暴れなくなった
チカの顔は、
とろけるバニラクリームのように
甘くうっとりしている。


俺の可愛いお姫様…。


「明日には18歳だよ、ハニー。
お祝いにチカをちょうだい…」


がごん!!!!

その時だった。

すげー重たいものが
頭を直撃というか、
頭に落撃されたのは。


「父親そっくりね!
このエロ息子が!」


忘れていた声が玄関に響く。

げ。
スーツケース?


「どっ…どっちの父親?」

俺は頭を押さえながら聞いた。

チカは動揺しまくってる。



「もちろん、両方よ。」

仁王立ちするのは、
まさしく、我が母親だった。
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