Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
もう一つの失恋
車は、ゆっくりとあっちゃんの家から遠ざかり始めた。

あっちゃんの家の近くには、小さな小さな公園がある。

ブランコとベンチだけの、小さな小さな公園。

だから、ミニ公園って呼んでいた。

その公園を通り過ぎると、コンビニがある。

『あ!あっちゃん!ミニ公園のとこのコンビニ寄って!』

「おぅ、分かった!…どーせアレだろ?桃天!!」

『ピンポ~ン♪』

そして、あっちゃんは、コンビニの真正面に堂々と車を停めた。

周りを見ると、この車の他に、2台の軽自動車が停まっていた。

『直ぐに戻るからね!待っててねっ?』

車から降りるなり、急ぎ足でコンビニの中へと駆け込んだ。

「いらっしゃいませ~こんにちは~!!!」

いつも思うけど、ここのコンビニの店員さん達は、皆とても元気がいい。

あこは、コンビニの中へ入ると、脇目もふらずに、飲み物コーナーへと真っ直ぐ向かった。

あこがこよなく愛していたジュースは“桃の天然水”。

高校生の時に出会って以来、毎日と言っていい程、毎日飲んでいた。
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