海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
正直、相葉先生には知られたくなかった。


きっと先生は、私が先輩達に嫌がらせをされる理由なんて分からない。


まさか自分が絡んでいるなんて、思ってもいないだろう。


だからこそ余計に、

『先輩に目をつけられるような事をしているのか。』

…って思われたかもしれない。


そう思うとすごく恥ずかしくて、

『隠しておきたかったなぁ。』

という思いが、やっぱり少しだけ込み上げた。


すると瑞穂は、

「ごめん!だけどもし万が一、何かがあった時には守って欲しいじゃん!先輩達だって相葉先生のファンなんだろうし。」


「まぁ、そうだけど…。」


真剣に訴えかける瑞穂の言葉に私は頷いた。

瑞穂が言っている事はよく分かる。


「でもきっと、瑞穂が心配するような事なんて起こらないよ。多分、大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」

そう言って、私が瑞穂にニコッと微笑むと、


「ううん。」

瑞穂も微笑んで首を横に振った。



私はきっと何も起こらないだろう、そこまで目立っていないだろうって思っていたのだけど、


まさか…


そんな事が現実に起ころうとしているなんて、この時の私は思ってもいなかったんだ。
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