ヴァンパイアの花嫁
ベッドの上に身体を起こしているシェリルは、ぼんやりとアメリアを見ていた。


「ではベッドから出てください」


ご主人様が出て行った後、アメリアはきつい表情でシェリルと呼ばれた少女を見た。


「あっ……」


少女は小さく声を出した。


この人はあたしが歩けないことを知らないんだ。


レオンはアメリアに歩けないことを話していかなかった。


「あたし……」


儚げな雰囲気をまとう少女は困ったような表情を浮かべ戸惑っていた。


「どうしたんですか?」


ベッドの上に身体を起こしたままの少女を見る。


「ごめんなさい……歩けないんです。脚に感覚がなくて……」


申し訳なさそうに言う少女。




< 34 / 487 >

この作品をシェア

pagetop