平安物語【完】



弘徽殿へ帰って一眠りした後、女房達が楽器を奏でていたのに合わせて、少し琴など弾いて戯れておりました。


「まことに、女御様は琴の琴がお上手でいらっしゃいますわね。」

「私たちなどでは、お相手はつとまりませんわ。」

などと言って女房達がどんどん聞き手に回るので、私もやめようとしましたが、女房達がしつこく勧めるのでしばらく弾いていました。

すると乳母がにじり寄って来て、

「何やら人の視線を感じます。

もう少し奥へお入りあそばせ。」

と申します。


驚いて琴を弾きやめて奥へ入ろうとした時、 廊下近くに垂らしてある簾が揺れました。



< 40 / 621 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop