カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編
何故…カズキがこんな所にいるのだろう?


カズキに釘づけの私に、エリカが不思議そうに顔を覗き込む。

「どうしたの?」

それでも、私は目が離せない。

だって…この夜の街で見たカズキは、まるで別人の様…。

何人も派手な女性を引き連れ、肩を組楽しげに歩いている。

ねぇ…?その女の人達は誰??


「ねぇ?」

「あっ…。ごめん。
なんか疲れちゃったみたい。」

「そっかぁ。もう、21時だしさ。帰ろうか?」

エリカは、赤い革のベルトの時計に目を向けていた。

「うん…。ごめんね。
また、カラオケ行こうね!」

「もち!」

私達はその場所で別れた。

エリカが見えなくなるのを確認すると、急いでカズキの見かけた、道を追い掛ける。


当然…時間がたっていたので見つかるはずもなくて…。



あの姿に不安を隠せなかったんだ。




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