カズキ、10年愛〜不良のあなたに恋をして〜後編
朝から悪阻で気分は最悪だった。

お母さんに気がつかれないように、トイレへ日に何度も、駆けこんでいた。


「くるしぃ…」


はっきり言ってそんな言葉しか今の私頭にはない。

吐ことで体力を消耗していてしまい、この日は布団から中々でれずにいた。


…そんな時だった。

「舞?体調悪いの?」

やはりお母さんが来た。

親だもん。

私の様子が違うのに、気が付かないわけなぃかぁ。

「うん…ちょっとね。風邪みたい。」

心配そうに顔を覗き込み、額に手を充ててきた。

ふわふわと柔らかく、暖かい手。

「ん~ちょっと熱があるわね。寝てたらすぐなおるわね。」

笑顔のお母さんに、心が痛む。

違うのって、赤ちゃんいるのって…

言いかけそうになる言葉を、ぐっと押し戻した。

「何か食べたいものある?」

「なんにも、いらないよ」

そんな言葉なんて、聞いてないそぶりで、お母さんは30分後…

飲み物と梅味のお粥を運んできてくれた。


食べれる気分じゃないけど、やはり食べないとまずいよね…





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