ヤンデレ彼氏に監禁されて
「くすぐったいんで、止めて下さい」


「怒らないでほしいな、これぐらいで。

結構、耐えてるんだよ、これでも」


どこが耐えているんだかと、言いたいところだが


耐えているのは、確かだった


何せ、彼は私に危害を加えないのだから


手を出さないということはないが、私が嫌がる素振りをすればすぐに引く


これが意味することなんて、それなりに生きていれば知識に入る


男としての耐え


欲求を圧するその心構えは、唯一、誉めたいものだ


拍手でもしたい
私はそれで、『間違い』を犯してないのだから


「くすぐったい、っていう感触さ……。度を過ぎれば、気持ち良くなるよ」


オヤジか、この人は


本人なりに耐えてはいるも、密着は増えている


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